いつもと同じ真っ白で寒い日、うちのサッカー部がなんだかにぎわっていた。近くにいた紺子ちゃんに聞いたら別の学校のサッカー部の人(東京から来たらしい。都会だ!)が士郎くんを探して来たらしい。・・・士郎くんってそんなに有名だったんだ。そういえば、数日前にあった人もここらへんじゃ見かけない人だったなぁ。
雪の中の公園で唐突にあわられて、そして唐突に消えていった人。格好からして不審者だし、眉ないし、へんな髪だし、かっこいいよりも怖い印象の人だったのに、何故だか気がつけば記憶を頼りに探してしまっている。変なの。
そういえば、格好もさることながら質問も変だった。だっていきなり、

「学校は好きか」

なんて、先生じゃあるまいし。勉強は好きじゃないけど、皆とあえる学校は嫌いじゃないからそう答えたら、無表情にうなづいただけだった。まったくもって意図がわからない。もしかして新任の先生だったんだろうか。でもあんな先生は嫌だ。気になることが多すぎて授業に集中できなさそう。
変な人、だったけど。もう1回会ってみたいな、そう思ってた。だって気になることが多すぎる。

私の予想をあっさりと裏切って、再開の機会は訪れた。やっぱり変なあの人は仲間の人もやっぱり変わってて、宇宙人、って言葉に、すとん、納得。
疑問の1つ、質問の意味がちょっとわかった気がした。だけど新たな疑問が生まれたわけで、結局プラマイゼロなわけだ。









消滅を構成する生き物



もし、もし私が「嫌いだ」って答えてたら、あの人はあんな苦しそうな顔をしなかったんだろうか。



(くべる)